「ある農業機器メーカーの社員が、元社長から日常的にパワハラやセクハラを受けていたとして、近く、損害賠償を求め元社長を提訴する」という旨の報道がありました。

社員らが、今月5日に会見を行い明らかにしたものです。会見によると、次のようなハラスメントを受けていたとのことです。
(元社長から)
・息子が生まれて間もなかったが、「こんな親に育てられる息子はかわいそうだ、ろくな人間にならない」といわれた(男性社員)。
・彼氏はいるのか、性交渉したことあるのかと聞かれた(女性社員)。
・体を触られるなどのセクハラを受けた(女性社員)。
その他、「お前は腐ったみかんだ」、「人間のくず」などと言われたなどと社員が訴えました。
録音テープも公表。「あほか、お前は、ぶっ飛ばすぞ」と、どう喝する様子も明らかに・・・

元社長は、今年2月に代表取締役を解任されましたが、これまでに30人以上が退職に追い込まれたということで、会見を開いた社員らは、今月中にも、元社長に損害賠償を求める訴訟を起こすとのことです。

この事例は、加害者が社長、内容も過激、あまりにひどすぎて異例といえるかもしれません。ここまで露骨なパワハラ・セクハラはないにしても、ちょっと声を荒げて注意してしまったことが、「パワハラ」と受け取られるようなケースもあります。

ここ最近、特にパワハラの話題がよく報道に上ります。被害を訴える労働者が増加していることは明らかで、防止対策の強化が求められています。
厚生労働省も、パワハラの専用サイト(明るい職場応援団)を作成したり、検討会(職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会)を立ち上げるなどして、防止対策の更なる強化を模索しています。

〔確認〕厚生労働省のパワハラの専用サイト(明るい職場応援団)
http://www.no-pawahara.mhlw.go.jp/foundation/
※パワハラの裁判事例や他社の取組みなどを紹介。
〔確認〕直近の「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会」の資料
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000165529.html
※「平成28年度版パワハラ実態調査(資料4)」などもご覧になれます。
「パワーハラスメントの予防・解決のための効果が高い取組として、相談窓口の設置や従業員向けの研修の実施を挙げている企業の比率が高い」といった調査結果が出ています。